簿記 簿記2級

簿記2級の連結会計は捨てるしかない?3つのポイントで攻略しよう

悩む人
連結会計がどうしてもできない。連結会計を捨てようと思うんだけど合格できる?

 

連結会計を捨てるのはもったいないです。ちょっとのポイントで攻略できますし、捨ててしまうと合格は結構厳しくなります。
ぺしまろ

 

連結会計は正しい手順で学習すれば部分点や満点を狙える分野です。

 

この記事では

 

連結会計はなぜ捨てるべきではないのか?

連結会計で押さえるべきポイントはどこ?

どうやって勉強すれば連結会計で部分点が取れる?

 

を紹介していきます。

 

 

連結会計を捨ててはいけない理由

 

出題の頻出度が高い

連結会計の出題頻度に関しては高い傾向にあります。

 

第3問の総合問題に出題されるだけでなく、第2問や第1問の仕訳に一部出題するなど範囲として出題しやすいことが要因です。

 

特に第3問で連結精算表などで出題された際には20点の配点があるので、注意が必要です。

 

仕訳がパターン化しており、一度覚えたら得点しやすい

難しく見える連結会計ですが、仕訳に関しては一定のパターンがあります。

 

連結会計の配点ではすべての仕訳をカンペキにしないと点数が取れないわけではなく、一定部分までの仕訳を反映すれば部分点を取れるようになります

 

具体的には

 

資本連結(投資と資本の相殺消去)

のれん償却

当期純利益の按分

配当金修正

 

上記部分を仕訳できるようになるだけで8点~12点は取れるようになってきます。
ぺしまろ

 

連結会計を捨てない為の押さえるべき3つのポイント

 

問題を始める前にできる問題とできない問題を取捨選択する

まずは問題に取りかかる前に、できる問題とできない問題を取捨選択できるようになることが重要です。

 

連結会計の問題に関しては、他の仕訳と違って問題文1つにつき仕訳が一つという資料の与えられ方ではありません。

 

ですので、問題文を見てできる問題とできない問題の線引きをして、できる部分に時間を使う事が大切です。

 

問題文の隣などにできる部分に関して印(〇など)をつけておくといいです。

 

これだけでも本番でわからない部分が出てきて焦った時に「できるところをやればいい」と冷静になれます。

 

部分点目標として8点~12点を狙う

連結会計が20点配点で出題された場合には部分点は取れるようにしておきたいです。

 

部分点目標として8点~12点は狙えるようにしましょう

 

20点中0点ですと残りの80点のうち70点を稼がなくてはいけないので、約9割近くの正答率で解答をしなくてはならなくなります。

 

連結会計で少なくとも8~12点の点数を取っておけば、他の問題の負担が軽くなります。

 

連結会計はいくらでも出題を難しくすることができるので、連結が難しい場合については難易度調整などで他の問題が解答しやすい場合もあるかもしれません。

 

全てを理解しようとしない

簿記全般の学習に言えることですが、どうしても全てを理解しようとしたくなると思います。

 

もちろん、全てを理解して合格するのは素晴らしいことですが、連結会計は難しい過去問の多々出題しているので本番では予期しない問題が出てくる場合があります。

 

簿記検定では7割で合格になるので、期間を設定して簿記試験にチャレンジしている方は70点が取れるように部分点を狙いましょう。

 

7割でも満点でも合格には変わりありません。

 

連結会計で部分点目標を達成するための解答項目

 

上記で説明をさせて頂いた8~12点を狙う為の連結会計の押さえるべき解答項目について以下の通りになります。

 

  1. 資本連結(投資と資本の相殺消去)
  2. のれん償却
  3. 当期純利益の按分
  4. 配当金の修正

 

資本連結(投資と資本の相殺消去)

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、以下仕訳を見たことがあると思います。

 

資本金     ××× / 子会社株式    ×××

利益剰余金   ××× / 非支配株主持分  ××

のれん     ×××

 

この仕訳をする為には問題文で純資産(資本金・資本剰余金・利益剰余金)の金額、子会社株式の金額、投資割合(〇%)を把握する必要があります。

 

<例:S社株式5,000円 投資割合80%の場合>

×0年3月31日の貸借対照表金額(一部)

・資本金    5,000円

・利益剰余金  500円

×1年3月31日の貸借対照表金額(一部)

・資本金    5,000円

・利益剰余金  2,000円

 

上記のような時系列で記載した純資産のタイムテーブルを記載しましょう。

 

 

そこから仕訳を行い、のれんの金額を求めてタイムテーブルに記載します。

 

 

 

この手順で仕訳を行えば投資と資本の相殺消去は完成です。
ぺしまろ

 

のれん償却

投資と資本の相殺消去で出てきたのれんを償却します。

 

問題文には必ず償却期間が記載されているのでその年数を使ってのれんの償却を行ってください。

 

<のれん償却が20年の場合>

 仕訳:のれん償却 30 / のれん 30

計算式:600 ÷ 20年 = 30

 

のれんの償却が終わったらタイムテーブルへ仕訳の内容を記載します。

 

 

当期純利益の按分(あんぶん)

連結会計を1年間行うと、もうけ(当期純利益)が出ます。

 

連結では自分だけではなく他の株主の方も関わってくるので、当期純利益を他の株主に按分する仕訳を行います。

 

<例:当期純利益が2,000円の場合>

仕訳:非支配株主に帰属する当期純利益  400 / 非支配株主持分 400

 

2,000 × (   100%   -     80% ) =  20%

        自分の投資割合       他の株主の割合

2,000 × 20% = 400

 

配当金の修正仕訳

連結会計をする前にS社からもらっていた受取配当金を削除していきます。

 

また、配当した分だけ会社からお金が出ていくので他の株主の取り分(非支配株主持ち分)も減らします。

 

<例:配当金が500円の場合>

仕訳:受取配当金   400  / 配当金 500

   非支配株主持分 100

 

受取配当金:500 × 80% = 400

           -投資割合-

非支配株主持分:500 × 20% = 100

            -他の株主の割合-

 

最後に当期純利益と配当金の記載を利益剰余金の変動として記載します。すると、利益剰余金の×1年度3月31日の利益剰余金と金額が一致し完成となります。

 

 

配当金の修正まではタイムテーブルの手順に従えば仕訳ができるようになります。まずはここまでを覚えてみてください。
ぺしまろ

 

債権・債務の相殺消去

債権・債務の相殺消去は子会社(S社)との債権・債務があれば相殺消去する仕訳です。

 

こんな感じの内容です。

 

買掛金 ××× / 売掛金 ×××

借入金 ××× / 貸付金 ×××

 

次の仕訳については問題文で金額が与えられていれば仕訳をしてください。難しい問題ですと自分で計算しなくてはならないのでその場合は上記仕訳までで大丈夫です。

 

受取利息 ××× / 支払利息 ×××

未払利息 ××× /  未収利息 ××× ※未収・未払いがあった時のみ

 

これは問題分にそのまま金額記載があるので、仕訳の借方・貸方に注意して仕訳をしてもらえばOKです。

 

ここまで仕訳をしたら、連結精算表などの解答欄に埋めてみましょう。部分点がしっかりと取れるようになります。
ぺしまろ

 

まとめ:連結会計で得点を少しでも有利にしよう

 

連結会計については他の仕訳と違って難しく思える問題ですが、問題文の読み取りと手順をまちがえなければある程度正答できる問題です。

 

連結会計攻略の3つのポイント

  • できる問題とできない問題の取捨選択をしっかりと
  • すべて完璧に理解しなくていい
  • 目標部分点8~12点を狙おう

 

一度部分点が取れるようになれば合格へグッと近づきます。連結会計で部分点が取れるようになるための手助けになれば幸いです。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました。

 

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