簿記の試験では問題が解けるのも大切ですが、何より試験時間内に終わらせることが重要です。
いざ試験となると緊張したり、いつもとは違う環境にあせったりして実力通りの答案が作れない場合があります。
何より時間配分が大切なので、今回は試験時間の時間配分について説明します。
時間不足の原因
簿記2・3級の試験時間については次の通りです。
簿記2・3級の試験時間
・簿記2級:90分
・簿記3級:60分
それぞれの試験時間において足らないという人は結構多いです。足らなくなってしまう原因として以下が考えられます。
簿記試験の時間が足りない原因
- わからない問題が出てしまい無理に解こうと時間を使ってしまう
- 本番で緊張してしまい慎重に解きすぎてしまう
- 電卓などの集計作業で時間がかかってしまう
- あわててしまい問題が難しく見えてしまう
わからない問題が出てしまい無理に解こうと時間を使ってしまう
試験本番ではわからない問題が出てくることも多いです。
それを無理に解こうとすると時間を使ってしまいますし、何よりわかる問題が試験時間内までに解き終わらないことも出てきてしまいます。
特に気を付けなくてはいけないのはわかりそうでわからない問題などがあることです。
そういった時は「考えれば解けるんじゃないか」といつまでも先に進めなくなってしまうので時間を取られる原因になります。
本番で緊張してしまい慎重に解きすぎてしまう
わかる問題を本番では不安で慎重に解きすぎてしまう事があります。
いつもなら5分くらいで終わる問題も「これで大丈夫かな?」「計算ミスとかないかな?」などいつもとは違う事をしてしまって時間ロスをしてしまいます。
こうした少しの時間ロスでも全体の得点に大きく影響してしまうので注意が必要です。
電卓などの集計作業で時間がかかってしまう
特に第3問などの総合問題ですが、決算整理仕訳をして財務諸表や精算表に回答を埋める際には電卓の集計作業があります。
この集計作業で電卓がうまく使えず時間がかかってしまうケースもあると思います。
特に精算表などでは記入する場所も多く、最後の当期純利益を計算するときは電卓を使って計算しなくてはならないのでかなり時間を取られます。
問題を解く順番によってこの集計作業で大きく時間を使ってしまうので、集計作業はどのくらい時間を使えるのかシミュレーションしておく必要があります。
あわててしまい問題が難しく見えてしまう
これは普段正解している問題が、試験時間直前になってケアレスミスしてしまうなどの事象です。
そもそもわかる問題なのに試験時間が足りないという事はどこかしらに時間ロスする原因が隠れています。
その原因がわからないと最後に取り掛かる問題などが必ず時間不足になってあせってミスしやすくなるなど悪影響が出ます。
簿記2・3級の時間配分の対策
時間配分の原因を説明させて頂いた所で対策について説明します。
あわてない為の試験時間配分(全体把握、見直し)
まずは基本の時間配分です。
各級ごとの時間の使い方については以下の通りです。
簿記2級のオススメ時間配分
項 目 | 時 間 |
第1問 | 10~15分 |
第2問 | 15~20分 |
第3問 | 25分 |
第4問 | 10分~15分 |
第5問 | 10分~15分 |
見直し | 5分~10分 |
簿記3級のオススメ時間配分
項 目 | 時 間 |
第1問 | 10~15分 |
第2問 | 15分 |
第3問 | 25分 |
見直し | 5分~10分 |
ポイントとしては見直しの時間を5~10分入れてください。
見直しにはこうした効果があります。
問題が解答し終えたことで、落ち着いて解答を振り返りミスを見つけやすい
万が一、時間が足りない問題が出た時の微調整
電卓の集計作業については苦手な場合は後回し
電卓の集計作業に時間がかかるのは第3問の総合問題です。
この集計作業においてどうしても時間を取られてしまい、うまく試験を終わらせることができないケースが考えられます。
その際は見直し後の一番最後に解答するのもアリです。
理由としては次の通りです。
決算整理仕訳などすべてが正答でない限り正しい数値がでない。
集計によってでる解答は2~4点程度の得点しか来ない
であれば、見直しに時間を回して間違っている問題がないか確認したり、1回目の解答で飛ばした問題などがあればそちらに時間を使った方が得点が上がりやすいです。
電卓を早く打つためのロードマップ(電卓選びから練習法まで徹底解説)
続きを見る
もしも問題がわからなかったら(わからなくても70点とれればいい)
時間配分をしてもわからない問題が出てきた場合にはいったん飛ばしましょう。
ですので、まずは1分程度考えてまとまらなければ飛ばして残り時間が余ったら正答するくらいの考えでいきましょう。
簿記の試験は70点で合格のテストです。その1問をミスしたとしても他の問題がしっかりと解けていれば問題ないです。
各問題別の目標得点と対策
時間配分は問題ないけどいまいち得点があと少しという場合は問題別にポイントができているか以下の項目をチェックしてみてください。
第1問:仕訳は徹底的に覚える
簿記3級において最も得点源とする項目は仕訳です。
仕訳の問題では以下3点がしっかりと意識できているか確認してみてください。
仕訳問題の確認事項
- 問題を見て使う勘定科目がしっかりとイメージできる
- 勘定科目に関して借方・貸方どっちにかけばいいのか理解できている
仕訳を理解するためのコツと効率の良い覚え方
続きを見る
第2問:わからない問題でも半分以上の得点を狙う
正直、第2問については個別問題となるので受ける試験によってガラッと変わる問題でもあります。
ですので、まずは出題傾向が多い以下の項目を半分以上の得点が取れるようにやってみてください。
商品有高帳
経過勘定項目(前払○○、未払○○)のT勘定
売掛金・買掛金元帳
第3問:財務諸表(貸借対照表・損益計算書)、精算表に記入をカンペキに
総合問題も第1問同様にできる限り点数を取っておきたい問題です。
貸借対照表や損益計算書では決算整理仕訳があっていて集計作業でミスらなければ7割以上は狙えると思います。
ただ、精算表が出題された場合に解答記入でミスが出てしまう事もあると思います。
精算表失点の主な原因
- 記入箇所について貸借対照表・損益計算書どちらに書いていいかわからない
- 決算整理仕訳で出た勘定科目をどう記入していいかわからない
まずはどの財務諸表や精算表でも決算整理仕訳を切れるようにして集計作業で数字を的確に反映できるようトレーニングしてみてください。
精算表がうまく解けない。解き方の手順とは?
続きを見る
第4問・第5問(簿記2級:工業簿記のみ)
工業簿記に関しては計算過程をしっかり書かないと解答できない問題が多いです。
製造指図書を使って製品ごとの原価を計算する個別原価計算や、生産データを使って月末仕掛品原価や製品原価総合原価計算を計算する総合原価計算などが該当します。
まずはこうした計算過程が必要な問題はしっかりと解けるようにしましょう。
計算過程が必要な問題は数値を取り違えたり、計算ミスをすると大きく失点をしてしまいます。
逆に言えば計算過程がしっかりできれば満点を狙えます。
計算過程以外の問題ですと、仕訳の問題なども出てくる場合もあります。
工業簿記は計算問題が重視されがちですが、仕訳として出題されるとなかなか仕訳が思い浮かばず点数が取れないという事もあります。
まとめ:本番をしっかりシミュレーションして落ち着いて解答しよう
試験問題はできていても試験時間を気にするといつも通りの力が出ない事もあります。
簿記3級時間配分のコツ
- 時間配分は見直しも考慮して行う
- わからない問題は飛ばす
- 全部できなくても70点取れば合格する
ここまで読んでいただきありがとうございました。
関連記事
簿記試験の前日。落ち着いて受験する為にはどうするべきか?
続きを見る