簿記の勉強を始めるにあたって迷うのがノートの使用です。学校でも授業を受ける際はノートを使用することが当たり前ですが、簿記に関してはノートを取る必要があるのか?
これに関してはまとめる為のノートは取る必要はないですが、間違い要因などを分析するノートは準備した方がいいです。
目的によってノートが必要か必要でないかが変わってくるので理由を見ていきましょう。
この記事を書いている筆者
・資格の学校で簿記の指導をしています。
・日商簿記1級の他、税理士簿記論・財務諸表論を所持しています。
もくじ
まとめノートはなぜいらないのか?
ノートを作ることで自己満足をしてしまうから
ノートを作る一番の目的は「理解する為」だと思います。
ただ、ノートを作っているとどうしてもノート自身を見やすくする為には、ノートにうまく整理することでそれで満足してしまうという事もあります。
そうすると「理解する為」に取っているノートが「ノートに書くこと」がいつしか目的になってしまう可能性があります。
ですので、まとめる為にノートを取るよりはすでにまとまっているテキストを読み返してインプットを進めた方が効率がいいです。
反復して理解する内容が多いから
ノート書くことで頭が整理されるという利点はあるかもしれませんが、簿記の場合に関しては複雑な知識の組み合わせというより一度覚えてしまえば反復作業の項目が多いです。
反復作業が多い以上、一度簿記のルールを理解すれば問題にうまく落とし込んで計算できるかが勝負となりますので問題に対して何回も演習し解いていくことで力がついていきます。
具体的には仕訳に関してはどんな取引の場合仕訳パターンはなんなのか。問題を読み取引で選ぶ仕訳を考えるというのを頭にインプットさせるので、演習量に比例して点数がどんどんと取れる傾向があります。
実際に指導している学生も演習量が多い学生ほどケアレスミスしにくかったり、問題消化時間も早くより反射的に仕訳が切れているのを見ています。
間違いノートの作り方
まとめノートについてはいらないと話をしましたが、間違えを書いておくノート作りはすごく効果があります。
実際に1級などの勉強になってくると合格している受講生さんは間違えノートを作成している人が多いです。では間違えノートはどのように作成するのか見ていきましょう。
間違いノートには何を書くのか
間違いノートとは自分がミスした部分をノートに書き、どんな理由で間違ってしまったのか書き留めておくノートの事です。
ノートには主に次の理由についてしっかりと書いていきます。
間違った箇所:ページ番号や項目の名前(貸倒引当金)を書く
間違った理由:「移し間違い」「計算違い」「理解不足」など要因を書く
補足情報:「理解不足」などであればその単元の内容について書き留めておく。
次の3点を踏まえて次のようにノートを区切って書くと見やすいかと思います。
見本例)
貸倒引当金 | 「理解不足」 貸倒引当金繰入:売掛金に貸倒実績率をかけて貸倒引当金を引く |
間違いノートのメリット
間違いを書いておくことによって自分の間違えてしまう傾向や復習した方が良い箇所がはっきりとして、一通り学習した後に苦手箇所の確認や得点アップの為に何をすればよいのかはっきりします。
一通り勉強し終えるとその次はどうすれば得点が上がるのか苦手な項目の復習などを行う必要があります。
何もない状態ですとどこから手をつけていいのかわからないなどの事も出てくる為、間違えノートを作っておけば復習ポイントが明確になりスムーズに学習を進めることができます。
まとめ
ノートを取って頭を整理することはとても効果的に思えますがあくまで目的の為の手段です。
簿記の場合に関しては反復して簿記のルールをしっかりと覚えることが重要ですので、間違いノートを活用しながら正確な処理ができるよう練習してみてください。