こんな悩みにお答えします。
会計知識として網羅できる簿記は企業の経営や財務諸表を分析するのに最適な資格といえます。一方でFPは個人を対象として資産形成などができるライフプランの設計ができる金融資格です。
今回は簿記とFPの資格について資格取得のメリットをそれぞれの特徴も踏まえてご紹介します。
簿記・FPともに資格指導経験がある現役教師です。日商簿記1級・FP2級(以前はAFPも保有)を取得しています。
もくじ
簿記とFPはどちらから先にとる方が良いか
簿記とFPの難易度について
簿記とFP資格を取得するにあたって気になるのは資格の難易度ではないでしょうか。
それぞれの資格の難易度についてまずは見ていきましょう。
【簿記とFP比較】
項 目 | 勉強目安時間 | 合格率 | 難易度 |
簿記3級 | 100時間 | 20%~30%程度 | |
簿記2級 | 300時間 | 30%~50%程度 | |
FP技能士3級 | 100時間 | 70%~80%程度 | |
FP技能士2級 | 300時間 | 50%~60%程度 |
※難易度について:筆者の主観も含めた難易度設定になっています。
簿記に関しては日商簿記検定がメジャーな資格となります。1級~初級まで用意されており、一番簡単な簿記初級から専門家的な会計知識を有する1級まで用意されています。
特に簿記1級は税理士の受験資格となるくらい難関な資格ですが、一般的には簿記2級までを取得していれば企業で資格手当が出たり、就職活動でも十分な会計知識を有していると認められる場合が多いです。
簿記の詳細な試験内容や具体的な勉強法を知りたい方は以下の記事もチェックしてみてください。
また、FPに関しては日本ではFP技能士という国家資格とCFP・AFPといった民間資格があります。
初学者から知識をつけることを考えるとFPの資格を検討しているならFP技能士2級を目標とすれば就職にも個人のライフプランなども設計知識もつくことができ強い武器となります。
簿記から取った方がいい理由と勉強スケジュールについて
簿記とFPの概要がわかった所でどちらから取った方がいいという事ですが、結論として簿記検定の取得から入った方が効率よく勉強ができます。
理由としては勉強する重複分野です。個人的に会計用語として少し複雑に感じるのはFPの勉強です。それに加えてFPの分野では簿記で使用するような財務の知識も出てきます。
それを考慮した際に簿記3級から勉強していって、FPを勉強した方が知識の整理としてしやすい手順になるかと思います。
ですので、受験イメージとしては簿記3級→FP3級→簿記2級→FP2級の順番で取得目標を立てていきましょう。
この流れで勉強していけばそれぞれの知識をうまく活用しながらステップアップできると思います。
以前までは簿記の資格試験が一斉試験だったために簿記検定が決まった日程でしか受験ができませんでしたが、2019年から簿記試験はネット受験での随時受験ができるようになりました。
ですので、簿記試験の方が現在 柔軟に試験日程を決めることができ受験時期を選べるようになっておりますので、あなたの勉強期間に照らし合わせて簿記検定の受験時期を決めてみてください。
簿記のネット試験についての概要を知りたい方はコチラの記事もチェック
なお、FP試験の受験日程は決まっています。FP技能士は毎年5月、9月、1月と受験時期が決まっていますので、受験するタイミングを逃さないよう確認する必要があります。
簿記とFP:オススメの勉強方法とは?
簿記2級とFP2級を取得するためにはしっかりとした勉強方法を選択することが必要です。
まず簿記2・3級ですが、3級は独学でも可能、2級は通信講座をオススメします。
先ほど合格率の説明もさせて頂きましたが、3級は参考書籍でもなんとかなるレベルですが、2級は近年問題の難易度も上がっており、参考書だけでは1発合格しにくい資格となりました。
何回もチャレンジする前提なら独学でもいいのですが、なるべくなら最短で合格したいところですよね。ですので、自己投資だと思って2級からは通信講座をオススメします。
通信講座に関しては今はコスパの良い通信講座も多いです。簿記3級の勉強と合わせて以下の記事をチェックしてみてください
簿記2・3級の勉強法についてはコチラの記事をチェックしてみてください。
【簿記3級】勉強期間1ヶ月の取得は可能?それとも難しい?
続きを見る
【簿記初学者】簿記2級からの独学スタートは可能かどうか?
続きを見る
次にFP試験ですが、こちらは2・3級とも独学での取得が可能だと思います。筆者もこちらに関しては始めは独学で2級まで取得しました。
かといって決して簡単な資格ではありません。独学だからこそしっかりとした参考書を選び勉強を進めることをオススメします。
オススメの参考書籍
図解やカラーで分かりやすくまとめられており、専門用語などが多いFPの知識をスッと入りやすくしてくれる参考書です。ドリルや過去問と一緒に購入して勉強してみてください。
簿記とFPを両方取得した方がいいメリットとは?
簿記とFPを両方取得することはかなりの意味があります。
それぞれで見ればいろいろな方が資格保有者としていますが、両方持っている保有者となると貴重な人材となります。
また、掛け合わせて取得することが様々なメリットについても期待できます。そんなメリットについてご紹介していきましょう。
自分で資産形成などの運用が検討できるようになる
簿記とFPを取ると自身でライフプランの形成や家計簿の作成についても効率的な貯蓄や将来の資金の心配がなくなります。
簿記の知識で活かせるのは家計簿などの作成の際です。
簿記の知識活用例
・家計のムダを見つけることができる
・どうすれば赤字から黒字になるか経営者目線で家計を見ることができる。
FPに関しては、現状よりも将来についてお金の不安をなくしてくれます。
FPの知識活用例
・将来の子供の教育資金に関してどのくらいを見積もっておけばよいのか
・生命保険や介護保険など将来必要な保険について的確に判断できる
・将来の老後資金なども試算もでき、いまからどのくらいの貯蓄をすればいいかわかる
このように簿記とFPを通じて自身の現在の家計の状態を良好にすることができ、なおかつ将来の不安も解消できるような知識が得られるというのは他の資格の組み合わせにはない知識です。
就職・転職など金融関係の資格に強い人材として評価される
先ほども伝えましたが、簿記とFPの両方の資格を持つ人材というとなかなか貴重な人材ともいえます。
こうした知識を有する人は、企業の財務関係の職種や金融業界に関してはなくてはならない知識です。
入社をしてから取得を推進している企業もありますが、入社前からこのような資格を有する人材は就職・転職についてかなり強い武器を備えた人材ともいえます。
現在、資格を取得することでキャリアアップやジョブチェンジを考えている人はそれだけの価値のある資格だと感じてもらえると思います。
就職や転職について検討している方はこちらの記事もチェック
まとめ
簿記とFPに関してはプライベートでも仕事でも大いに役立つ資格です。
ポイント
・簿記とFPはWで取得を考えよう
・まずは簿記3級から挑戦、FPと交互に受験し簿記2級・FP2級を目指そう
・取得後は自身のライフプランやキャリアアップ、就職・転職に役立てよう
資格を始めるのに年齢は関係ありません。取得したいと思ってからがはじめ時です。ぜひ、簿記とFPという大きな武器を身に着けてみませんか。
今回は以上です。